【シネマモード】セドリック・クラピッシュ、作品と共に年を重ねる魅力『ニューヨークの巴里夫』
(Photo:cinemacafe.net)
セドリック・クラピッシュといえば、『百貨店大百科』や『青春シンドローム』『猫が行方不明』などで知られるフランスの名監督。その魅力は何と言っても、欠点はあるけれどとても人間的で魅力的な登場人物たちがみせる、ちょっととぼけた人間模様でしょう。人生において避けては通れない、さまざまな厄介ごともユーモアで包み込み、最後には温かな気持ちにさせるクラピッシュ節は最新作『ニューヨークの巴里夫』でも健在です。
この作品は、映画ファンなら御存知の通り、監督の代表作のひとつ『スパニッシュ・アパートメント』、続く『ロシアン・ドールズ』の続編。イケているのかダメ男なのか微妙なのに、結構美女にモテてしまうパリジャン、グザヴィエの予測できない人生が、3作を通して描かれています。第一作目では大学生だったグザヴィエも、いまや40歳。最新作公開にあたり、クラピッシュ監督と一緒に、作品の魅力を探ってみることにしました。
当初、シリーズ化を考えずに1作目を撮り始めたという監督。
本作が成功した理由についてこう話しています。「なぜ成功するかを語るのはつねに難しい。でも僕がシリーズの最初から心がけてきたのは、現代の社会を率直に語ること。