19世紀の“ダンデイ”を先駆けた画家ホイッスラーの大回顧展、横浜美術館で開催中
(Photo:cinemacafe.net)
19世紀欧米の画壇で活躍し、ジャポニズムの巨匠として世界的に知られている画家ジェームズ・マクニール・ホイッスラー(1834-1903)の大回顧展「ホイッスラー展」が、横浜みなとみらいにある「横浜美術館」で3月1日(日)まで開催されている。
ホイッスラーの生きた19世紀のロンドンやパリでは、粋で皮肉屋、知的でエレガント、自らの美学に殉じる伊達男たちを“ダンディ”と呼んだ。黒のフロックコートに身をつつみ、一房の白い前髪を上向きに整えた洒落た風貌のホイッスラーは、まさに当時のダンディの代表的人物だった。自らモデルの衣装をデザインするなど、ファッションにもその美意識を発揮したもよう。そのほか、その人となりがうかがえる数々の逸話を残している。
本展は、そんなホイッスラーの全貌を紹介する展覧会としては国内では27年ぶり、世界でも20年ぶり。アメリカ、イギリス、フランスの20か所以上の美術館など所蔵機関から、油彩・水彩・版画作品約130点が集結しての大規模な展覧会だ。
1834年にアメリカ・マサチューセッツ州に生まれたホイッスラーは、「クロス・チャンネル(英仏海峡を往来する)」