ジュリアン・ムーアをオスカーに導いた『アリスのままで』監督、ALSのため逝去
(Photo:cinemacafe.net)
先日、第87回アカデミー賞にてジュリアン・ムーアに「主演女優賞」をもたらした『アリスのままで』の共同監督リチャード・グラッツァーが、現地時間3月10日、ALS(筋委縮性側索硬化症)のために亡くなっていたことが分かった。63才だった。
本作は、若年性アルツハイマーに冒された言語学者であり、妻、そして母である女性アリスを主人公にしたリサ・ジェノヴァによる同名原作小説を、グラッツァー監督とパートナーのウォッシュ・ウェストモアランド監督が脚色し、映画化。少しずつ記憶や知識が抜け落ちていくアリスを熱演したジュリアンは、アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞(ドラマ部門)、英国アカデミー賞から女性映画批評家協会賞まで、本年度の賞レースにおいて「主演女優賞」をほぼ総ナメにした。
グラッツァー監督は1952年1月28日に生まれ、ロングアイランドで育ち、ヴァージニア大学を卒業。ウェストモアランド監督と共同で、サンダンス映画祭で「グランプリ(審査員大賞)」「観客賞」のW受賞を果たした『Quinceanera』(06/原題)、トロント国際映画祭で称賛されたケビン・クライン、ダコタ・ファニング共演のアクション俳優エロール・フリンの伝記映画『The Last of Robin Hood』(13/原題)などの脚本・監督を手掛けてきた。
2011年、本作の企画立ち上げの後にALSと診断されてからも、懸命に製作に取り組み、現場ではi-Padを使ってスタッフやキャストへの指示を出しながら撮影を行っていたという。本作は、若年性アルツハイマー病を患うアリスを自分自身に置き換えながら描いた渾身作であり、ジュリアンもオスカーの受賞スピーチで、授賞式直前に急きょ入院した監督について言及していた。
配給会社のソニークラシックの共同経営者マイケル・ベーカー、トム・バーナード両氏は、「たぐいまれな才能を持つ彼と共に働き、彼を知る全ての人にとって、大いなる喪失だ」とコメント。
また、公私にわたるパートナーであったウェストモアランド監督は「非常にショックを受けている。リッチと私はソウルメイトであり、共同製作者であり、親友であり、私の人生でもあった」と語り、「この4年間、彼のALSとの闘いを見守り、私だけではなく、彼を知る全ての人がその品位と勇気に刺激を受けた。この苦しいときの中、『アリスのままで』を世界に送り出す機会を得たことは、安らぎでもあった。彼はこの映画に全身全霊をかけて打ち込み、こんなにもたくさんの人々を感動させたことは彼にとって喜びだったと思う」と、悲しみのコメントを発表。
ジュリアンも自身のTwitterを更新、監督について語ったNYタイムズの記事とともに「i love you richard.」という言葉を寄せている。
(text:cinemacafe.net)
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