【シネマモード】勇者の“素顔”が見えてくる…『ディオールと私』
(Photo:cinemacafe.net)
世界的な大成功を収めた人々を見ていると、彼らはとても運が良く、恵まれた人々だという印象を勝手に持ってしまいがちです。まるで、彼らが特別な強運の持ち主で、成功への階段を一気に駆け上がったように思ってしまうもの。ところが、彼らの素顔を知れば知るほど、実はそうではないことがわかってきます。成功の裏には、すさまじい努力やこだわりが。とても耐えられそうにないプレッシャーにも立ち向かってきた、“勇者”という表現がぴったりな人がほとんどです。
成功者たちの人生や素顔を紹介するドキュメンタリーを良く観るのですが、特に興味を惹かれるのが、自分の才能ひとつで成功を手にした人々。だから、映画『ディオールと私』は、個人的にも大好き。知名度も低く、オートクチュール界での経験も無い若きデザイナー、ラフ・シモンズが「ディオール(Dior)」という伝統と歴史を持った老舗中の老舗メゾンのアーティスティック・ディレクターに就任してから、初コレクション発表までを追った作品です。
今でこそラフは注目の存在ですが、2012年の就任発表の際のファッション業界の驚きは、相当なものでした。