【シネマVOYAGE】魅惑の地を舞台に巻き起こるサスペンス…『ギリシャに消えた嘘』
(Photo:cinemacafe.net)
パトリシア・ハイスミスの小説の映画化で有名なのは、アラン・ドロン主演の『太陽がいっぱい』、それをマット・デイモンとジュード・ロウでリメイクした『リプリー』、ヒッチコック監督の『見知らぬ乗客』などですが、そこに新たな作品が加わりました。それは彼女が1964年に発表した「殺意の迷宮」をもとにした『ギリシャに消えた嘘』です。
サスペンスものはたとえあらすじであっても頭に入れてしまうと面白さが半減…ってことがありますので、敢えてここでは触れずにおきますが、この映画の舞台となるのはギリシャのアテネ、クレタ島、トルコのイスタンブール。なんともオリエンタルな土地ばかりです。ワケありでアテネにやって来たチェスター(ヴィゴ・モーテンセン)と妻のコレット(キルスティン・ダンスト)は、パルテノン神殿を観光中にツアーガイドのライダル(オスカー・アイザック)と出会い、縁あってチェスターはライダルに街案内を頼むことに。そこから物語は始まります。
この冒頭の彼らの視線のやりとりが後に男同士の心理戦につながっていくので、アテネの風光明媚な景色にうっとりしながらも、何気ないカフェのシーンは注意深く見てほしいシーンでもあります。