【インタビュー】<後篇>野田洋次郎 命に向き合い「迷いや躊躇がなくなってきた」
(Photo:cinemacafe.net)
“いかした”を意味する俗語「rad」と“いくじなし”“腑抜け”という意味を持つ「wimp」という言葉を組み合わせた「RADWIMPS」というバンド名。柔らかい高音に乗せて、この男の口から発せられる、生々しく、時に卑猥でそれでいてどこか純粋で、人間の強さも弱さも、美しさも醜さも表現する詞の数々――。
それらは、余命を宣告され、否応なく死と向き合い、人生の最後の最後でこれまでにない生の輝きを手にするこの映画の主人公の姿と重なり合う。映画『トイレのピエタ』において、松永大司監督が、主演を務める野田洋次郎に“芝居をすること”を禁止し、ただそのままでいることを求めたのもうなずける。
音楽シーンで唯一無二の存在感を放ち、熱烈な支持を集めるカリスマは、初めて踏み入れた映画の世界で何を感じ、何を表現したのか?映画初出演にして主演を飾り、主題歌「ピクニック」を書き下ろした「RADWIMPS」野田洋次郎インタビュー後篇!
漫画家・手塚治虫の日記の最後のページに記されていた“トイレのピエタ”という言葉をモチーフに製作された本作。野田さんは、かつては画家を目指すも挫折し、清掃員のバイトをしながら日々を漫然と過ごしていたが、体調を崩して運ばれた病院で思いもよらぬ余命宣告を受ける主人公・宏を演じている。