【シネマカフェ的海外ドラマvol.328】「GOTHAM」が描く、アルフレッドとブルースの関係性
(Photo:cinemacafe.net)
ダークヒーロー誕生以前、悪の街ゴッサム・シティでは何が起きていたのか…?バットマンの良き理解者であり、後にゴッサム警察本部長となる刑事ジム・ゴードンが、街の悪と対峙しながら正義を貫く「GOTHAM/ゴッサム」。ジム・ゴードン役のベン・マッケンジーに続き、アルフレッド役のショーン・パートウィーにも話を聞きました。
アルフレッド・ペニーワースは、後にバットマンとなるであろうブルース・ウェインの執事。ゴッサム・シティの名士だったウェイン夫妻の死去以来、アルフレッドは大きなお屋敷で夫妻の長男ブルースの親代わりを務めています。映画『ダークナイト』などではマイケル・ケインがアルフレッドの礼節とユーモアを絶妙に演じていますが、「GOTHAM/ゴッサム」のアルフレッドは幼きブルースを導く役目を担っているため、ユーモアも垣間見えるものの厳格要素が強め。偶然にも「アルフレッドという名の息子がいる(笑)」というショーン自身、“アルフレッドの子育て術”にはちょっと物申したいところがあるようです。
「僕の方が父親としては上だと思いたいくらい、アルフレッドの親としてのスキルは未熟だね。よく『自分の息子にもあんな風に話すの?』と聞かれるのだけど、答えは『ノー』だ。
もちろん、アルフレッドは置かれた状況の中で、最高の親であろうとはしている。そもそも彼は決して父親になろうとしていたわけではなく、ゴッサムで最も裕福な男から最も大切なものを託されていたに過ぎないのだからね。だが、ブルースとアルフレッドはウェイン夫妻の殺害という悲劇を経て、心に傷を負ったまま生きることになってしまった。だからこそ彼らは互いを必要としていて、2人で一緒に道を探さなければならないんだ」。
「アルフレッドがスーツをビシッと着ているのは、自分自身を押さえ込んでいるから。その理由は後々分かってくるよ」とも明かすショーンですが、ブルースに愛を注ぐアルフレッド同様、ショーンもブルース役のデヴィッド・マズーズを絶賛。「TOUCH/タッチ」でも知られる天才子役デヴィッドは、「少年ではなく男であり、成熟した役者」だそうです。「デヴィッドがブルースになってキッと睨んでくるだけで、その内面がひしひしと伝わってくる。
これまでほとんどのシーンを一緒に撮影してきたけれど、過去に共演したどの若手よりも力があると思うよ」。哀しみを背負ったブルースは、彼を見守るアルフレッドは、今後どのような運命をたどっていくのでしょうか。前回のベンに続き、ショーンにも「GOTHAM/ゴッサム」の楽しみ方を教えてもらいました。
「ジム・ゴードンからセリーナ・カイル、ブルース・ウェインまで、彼らがどのような道をたどり、今までコミックや映画で描かれてきたようなキャラクターになったのかを垣間見ることができる。それが視聴者にはたまらないと思うんだ。通常、多くの役者は自分が出演するドラマを見ないものだと思うけど、僕は『GOTHAM/ゴッサム』にハマって観ている。台本を読んでいるから、何が起こるか知っているのにね(笑)」。
…と、素晴らしいコメントがいただけましたが、ん?ちょっと待って!「GOTHAM/ゴッサム」以外は「自分が出演するドラマを観ない」ということは、ホームズの旧友レストレード警部をショーンが好演した「エレメンタリー」は観ていないのでしょうか?
「いや、『エレメンタリー』もちゃんと観ているよ(笑)。
親友の主演ドラマだしね。ホームズ役のジョニー・リー・ミラーとは、お互いの息子のゴッドファーザー(後見人)を務める間柄なんだ」。
「GOTHAM/ゴッサム」は、7月22日よりDVDレンタル&デジタルレンタル配信開始。
(text:Hikaru Watanabe)