【シネマVOYAGE】肖像画を巡ってニューヨークの旅へ『黄金のアデーレ』
(Photo:cinemacafe.net)
美術館に行き、絵画の前に立つと、その絵がたどってきた歴史を感じるような…気がします。誰が描き、誰のために描き、誰の手に渡って何十年何百年の時間を経て今この時代に存在するのか──。そんなことを考えるだけで、とてもドラマチックです。
『黄金のアデーレ 名画の帰還』は第二次世界大戦中にナチスに奪われた伯母の肖像画を取り戻すため、82歳の女性がオーストリア政府を相手に裁判を起こした、という驚くべき実話をもとにした映画です。ナチスに奪われた絵画奪還話としては、先に公開された『ミケランジェロ・プロジェクト』も同じですが、『ミケランジェロ・プロジェクト』のように何百万点もの美術品を救った人たち(=モニュメンツ・メン)の活躍を描いていることに対し、『黄金のアデーレ 名画の帰還』は、たった1枚の絵画をめぐるパーソナルなお話です(この2作をあわせて観るともっと面白い!)。
どんな物語か──。現在、ニューヨークのノイエ・ギャラリーに展示されているクリムトの名画「黄金のアデーレ」(正式名称:アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像l)。この絵は画家のグスタフ・クリムトがマリア・アルトマン(ヘレン・ミレン)の伯母アデーレを描いたもので、もともとは彼女の家に飾られていたものでした。
アルトマン家からナチスの手に渡り、そしてウィーンのベルベデーレ美術館へ。
マリアにとって伯母の肖像画は家族としあわせに暮らしていた頃の大切な想い出。だからこそどうしても取り戻したったのでしょう。若き弁護士のランディ(ライアン・レイノルズ)と一緒に立ち向かう姿は、自然と応援したくなります。また、彼女にとって絵画を取り戻すことは亡命のために捨てた故郷に戻るということでもある。しあわせな想い出があるのと同時に、そこには戦争によって家族がバラバラになってしまった悲しい出来事がある、両親を残したまま国を出てしまった後悔がある。過去と向き合う彼女の旅路からは、戦争がもたらした悲劇とどれだけ家族を愛していたのか…さまざまな感情が絡み合う。だからドラマチックなのです。
映画を観た後はきっとノイエ・ギャラリーに行き、本物の「黄金のアデーレ」を見たくなるはずです。この肖像画の旅──ウィーンからニューヨークへの旅を知っていると知らないとでは、感じるものがぜんぜん違う。というわけで、どこへ旅に出ようか迷っているのであれば次の旅先はニューヨーク、いかがでしょう。(text:Rie Shintani)
(text:Rie Shintani)
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