くらし情報『【シネマモード】60年以上の時を超えたロマンス…『フランス組曲』』

2016年1月13日 21:00

【シネマモード】60年以上の時を超えたロマンス…『フランス組曲』

(Photo:cinemacafe.net)

(Photo:cinemacafe.net)


初恋、片恋、悲恋、愛恋…。恋にもいろいろありますが、やはり最も燃えあがるのは禁断の恋。ご紹介する『フランス組曲』は、第二次世界大戦中、ドイツ占領下のフランスで、出兵した夫の帰還を待つフランス人女性リュシルと、作曲家のドイツ軍中尉ブルーノ・フォン・ファルクの恋を描いた、美しい作品です。

物語は、主人公二人が奏でる“禁断”のロマンスを、中尉が生み出す美しい旋律に乗せて描き出していて、もちろんそこも注目なのですが、本作の軸にあるのは、人間の在り様。ロマンスとは、文化や身分の違い、国籍や立場を乗り超えて、人は理解し合えるという可能性を証明する現象のひとつ。人の心と心が奥底から通じ合うときに、“禁断”などという概念は無意味だと感じられるのが、本作の魅力なのです。人間がどんな状況にあっても愛を信じられること、誰もが同じ人間であること、どんな隔たりをも超えて好意を交わせることができることを強調している物語だからこそ、二人をつい応援したくなるのです。

誰かに好意を抱くという素晴らしいことさえ、理不尽な尺度を用いて断罪することの愚かさといったら。
それを強く感じさせるのが、敵も味方も関係なく、危機的な状況にこそ見えてくる人の本性を冷静に描写している細部。

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