2016年2月23日 12:10
二階堂ふみ主演『蜜のあわれ』、デザイナー・澤田石和寛による“赤”の世界
と明かす。
さらに「ドレスだけで13種類の生地で制作しています。靴下も手袋も帽子も鞄も赤です。時代設定を追ってヴィンテージの鞄をフランスから送ってもらいました。金魚を表現するためにもうひとつ重要だったのがフォルムです。金魚のフォルムをデザインするために衣裳制作の岩崎晶子に金魚の形をおこしてもらいました。裾を軽くするなど金魚の尾鰭の動きをイメージした、柔らかいドレスにしてもらっています。素材に透ける素材のドレスを重ねることで、衣裳の輪郭に金魚の尾ひれのような印象を加えることもデザインの1つです」と語り、“赤子”を象徴するドレスへのこだわりを熱弁する。
この“赤”の衣装には「男性の思考から産まれた女性の“艶めかしさと純情”を赤い色をつかって表現することができたと思います」と自信を覗かせる一方、大杉さんが演じた作家については「作家の着物は灰白色の着物で始まり、最後は漆黒まで色を深めていきます。死に向けた色として。死の色については“黒”と石井さんが口ずさんだことを覚えています。大体12色の着物があったと思います。時間を追ってどんどん作家の着物は色が濃くなっていきます」と語っている。
また、二階堂さんについては、「彼女はこちらの思い描いたイメージに乗り、その上でもっと個性を強くするアイディアを出してくれる素敵な役者です。