くらし情報『トム・フーパー監督と語り合った『リリーのすべて』』

2016年3月27日 07:00

トム・フーパー監督と語り合った『リリーのすべて』

(Photo:cinemacafe.net)

(Photo:cinemacafe.net)


『英国王のスピーチ』で作品賞、監督賞を含むアカデミー賞4部門を受賞し、『レ・ミゼラブル』では世界を涙で包んだトム・フーパー監督。新作『リリーのすべて』では、世界初の性別適合手術を受けたデンマーク人、リリー・エルベの実話を題材にしている。トランスジェンダーという言葉はもちろん、その概念もない時代に、真の自分を追求した勇気ある女性の物語に、オスカー受賞監督が挑んだことが話題だが、彼を魅了したのは何だったのか。来日したフーパー監督と、『リリーのすべて』について語り合った。

―素晴らしい物語ですが、映像もとても美しく、まるで動く絵画のようでもありました。

「ありがとう。アーティストたちの映画だから、彼らが見たような世界を表現したいと思ったんだ。主人公のアイナー(のちにリリー)は、風景が持つ美とパワーをワイドショット、ワイドフレームで追求した風景画家だった。
一方、妻のゲルダは、人の、特に女性の美しさをクローズアップで切り取ろうとしていた。だから、ワイドショットとクローズアップを組み合わせて、二人の創造性を象徴する映像にしたんだ。それに、絵画は静止画だから、ハンドカメラや動きのあるカメラワークはあまり使わず、固定カメラを使おうと思いついた。

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