日米“暴露系”ドキュメンタリー対決!『シチズンフォー スノーデンの暴露』『FAKE』
新聞記者たちによるカトリック教会のスキャンダルを暴いた実話を実写化した『スポットライト 世紀のスクープ』がアカデミー賞をW受賞し、メキシコ麻薬戦争の最前線をとらえたドキュメンタリー『カルテル・ランド』が公開前から話題になり、大統領選にまつわる一大スクープの内幕を描くケイト・ブランシェット&ロバート・レッドフォード共演作『ニュースの真相』が8月に公開されるなど、いまジャーナリスム精神に根差した硬派な作品が相次いでいる。6月も、真実に迫る“暴露系”ドキュメンタリーの注目作が日米から登場する。
まずは、第87回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した『シチズンフォー スノーデンの暴露』だ。2013年6月、ある内部告発で全世界に衝撃が走った“スノーデン事件”。それは米国の二大情報機関、CIA(中央情報局)、NSA(国家安全保障局)に属した若者が、国家がテロ対策という大義名分のもとに、世界のIT企業のサーバーに直接アクセス、さらに米最大の通信会社から個人情報を“盗む”という、行き過ぎた管理体制の実態を暴露し、自ら名乗り出るという類を見ない大事件だった。
テロや犯罪への関与と無関係にあらゆる国民の電話の会話、メールの内容からインターネットの検索履歴まで、莫大なる通信記録を収集・分析しているという驚愕のスクープが、世界を駆け巡る一部始終をリアルタイムで捉えていく。