2016年8月5日 20:00
【インタビュー】フランスのゆとり世代!? リヴァー・フェニックスの再来と評される若き新星
保護司を演じるのは、本作でセザール賞最優秀助演男優賞を受賞したブノワ・マジメル。「彼とはオーディションのときから会っていたし、友だちみたいな関係。というか本当に友だちになって、いまでも時々会ってるよ」。
演技未経験者が映画の主演に抜擢されるのは、素のままでカメラの前に立つことを求められての場合が多い。だが、ロッドは最初から“演じる”ことを求められ、それに見事応えている。そこに到るまでは厳しい道のりだった。
まずは2か月半、演技コーチと一緒に脚本を読み込んだ。「ストーリーについて、マロニーの感情について。
どうしてそうなるのか?を徹底的に考えて、台詞も頭に叩き込んだ。撮影に入ってからは、エマニュエル・ベルコ監督の望むものを演じられるように全力で食らいついていった」。マロニーについては「愛情深い少年。特に母親に対して」」と分析する。「同時に、愛の欠如に苦しんでいて、だから激しい怒りにかられているんだ」。
ロッドはパリ郊外のサン・ドゥニに生まれ育った。やや治安の悪い地域もあり、「マロニーみたいな少年たちは僕の住んでいる界隈にもいる」と言う。ロケで訪れたリヨンの少年院では強烈な体験もした。
「本物の施設だから、撮影時にも実際に収容されている少年たちがいて、罵詈雑言を浴びたこともあった。