【シネマモード】「一緒にお金持ちになろう!」時代をプロデュースした男から学ぶ仕事哲学
と本気(透明のビニールスーツで歌うなど)を次々に実行し、やがてアリスをスターダムにのし上げたシェップ。こんな調子で、ブロンディやルーサー・ヴァンドロス、ラクエル・ウェルチらのマネージメントも行い、彼らと共に人生を歩んでいる業界の伝説的超有名人なのです。
70年代には映画界にも進出し、『デュエリスト/決闘者』『蜘蛛女のキス』『ベティ・ブルー』など映画もプロデュース。その後、デニーロとトライベッカ・グリルをオープンさせ、レストランビジネスでも大きな成功を収めています。
“エンタメ界を陰で動かしてきた”なんて聞けば、かなり悪者っぽく響きますが、そんなことはありません。彼が凄いのは、先見の明や湧き出るようなアイディア、目を見張るような業績だけではなく、その仕事哲学。「仕事よりも人としての付き合いが大事」。この信念を貫き、どんな人も裏切ることなく、手のひらを返すこともせず、誠実に人と向き合い大切にしてきた結果が成功につながった人なのです。
それを証明する代表的なエピソードもあります。かつてシェフたちには働いても働いてもお金にならない時代がありました。彼らが過小評価されていることに胸を痛めたシェップが考案したのが、料理人たちをブランド化すること。