2017年4月8日 15:00
【シネマ羅針盤】こんな完ぺきな続編ある?『T2 トレインスポッティング』が奇跡的
この世にはわずかだが「優れた続編映画」が存在する。『ダークナイト』『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』といった名作をはじめ、『トイストーリー』や『スパイダーマン』の続編も成功例だ。そしてこの春、『T2 トレインスポッティング』がその仲間入りを果たした。
同作は1996年に公開された青春映画『トレインスポッティング』の約20年ぶりとなる続編。ダニー・ボイル監督を筆頭に、脚本を手がけるジョン・ホッジ、主演のユアン・マクレガーらが再集結し、前作から20年後の新たなる群像劇を繰り広げる。その時点で、続編映画として他に類を見ない“奇跡”であり、リアルタイムで前作に触れたファンなら誰もが興奮と郷愁を同時に噛みしめ、「こんな完ぺきな続編ある?」とうなってしまうはずだ。
主人公のレントンが、スパッド、サイモン(=シック・ボーイ)、ベグビーを出し抜き、麻薬取引で得た大金を持ち逃げしてから20年。彼らが故郷スコットランドのエディンバラで再会すれば、きな臭いトラブルが巻き起こるのは時間の問題だ。
若かった20年前に比べて、見た目は老けても、中身がまったく成長していないという男の悲しい性(さが)。一方、奔放な女子高生だったダイアンが、いまや敏腕弁護士なのだから、女性は聡明でたくましい。