不器用でも温かい…父子の愛に涙『ありがとう、トニ・エルドマン』ほか4選
■『人生の特等席』(2012年)
素直になれない父と娘が、仕事を通じて絆を取り戻す
疎遠だった父娘が、仕事を通して絆を取り戻していく様子を描き出す。『グラン・トリノ』で実質、俳優引退宣言をしていたクリント・イーストウッドが、彼から映画制作を学んだロバート・ロレンツの監督デビューのために主演を務め、娘役を『メッセージ』のエイミー・アダムスが演じた。長年大リーグの名スカウトとして腕を振るってきた不器用な父親と、そんな父を遠くに感じていたキャリアウーマンの娘。だが、年のせいで仕事が上手く行かず、引退もしない父に、ある事実が分かり、窮地に陥る。そんな彼に救いの手を差し伸べたのは、娘だった。それぞれが見つけた“人生の特等席”に、心揺さぶられる感動作。
■『君はひとりじゃない』(7月22日(土)公開)
ポーランドの新鋭が放つ、新たなる父と娘の物語
第65回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(監督賞)を受賞した、ポーランドの俊英女性監督マウゴシュカ・シュモフスカの新作。妻を亡くし、感情が表に出なくなった父親、母親を亡くし、父親と自分の身体を嫌う娘。そして、人々を治療しながらもぽっかりと空いた心を持つセラピスト。