くらし情報『【インタビュー】スタジオポノック・西村義明プロデューサー “魔女”に挑んだ真意と覚悟』

2017年7月4日 19:00

【インタビュー】スタジオポノック・西村義明プロデューサー “魔女”に挑んだ真意と覚悟

ジブリ時代と同じように、環境があるわけじゃない。期待されるわけじゃない。そんな恐怖を振り切って米林監督は3年間、机にへばりついて、“いつも通り”絵を描き続けた。メアリだって魔法なんて持ってやしない。自分ではない誰かを想い浮かべて、“いつも通り”一生懸命に生きた人間です。先が見えない時代だからこそ不安なのは、映画の作り手も同じです。そこにメアリの人生が重なる。無力なメアリの一途な行動が、彼女を取り巻く不安と閉塞感を打ち破ったとき、多くの人の心に、大切な作品として届くと期待したんです」

『メアリと魔女の花』(C)2017「メアリと魔女の花」製作委員会
――プロデューサーとしての苦労は?

「『メアリと魔女の花』の予告編が映画館で流れたとき、本当に涙が出るほどうれしかった。
こんな喜びを見出せるとは思わなかったんです。正直、ジブリで映画を作っていた頃は、制作費を集めることを心配しなくてよいし、製作委員会の応援者も多かった。予告編だって『公開日も決まったし、そろそろ流れるかな』という感じでした。いま思うと、本当におこがましい考え方でした。今回も“ジブリが残してくれた恩恵”があって、多くの皆さんに応援していただいていますが、心理的には1度ゼロに戻れました。スタジオポノックの未来は考えません。

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