2017年8月26日 14:00
【シネマ羅針盤】『ワンダーウーマン』成功の意義 これはゴールではなく“はじまり”
強さと美貌を兼ね備えたヒロインの活躍を描いたアクション映画『ワンダーウーマン』が、世界中で旋風を巻き起こしているのは、ご存じの通り。興行的な成功に加えて、「アカデミー賞に絡むのでは?」の声があがるほど、高い評価を獲得している。その理由と意義とは?
日本ではバットマンやスーパーマンに比べて、馴染みが薄いワンダーウーマンだが、その歴史は長く、DCコミックスに初登場したのが1941年。それから単独主演として、スクリーンで躍動するまで75年以上の歳月が流れたわけで、ファンにとってはまさに「満を持して」の映画化だ。
逆に言えば、『ワンダーウーマン』が成功に至る歳月の長さは、これまで、ヒロインを主役に据えた超大作を製作するのが、いかに難しい状況だったかを証明することにもなった。たとえ、女性が主役のアクション映画が製作されても、「一見、強くて美しいが、実は男の幻想を全身でまとった」キャラクターが横行するのが現実だった。
そんな中、『ワンダーウーマン』の成功に特別な意義があるのは、女性から圧倒的な支持を得たことにほかならない。その理由は、彼女が旧態依然とした価値観を打ち破り、「女性であることはすばらしいが、決して特別ではない」