【シネマ羅針盤】ゾンビ・不倫・ヤンキー…映画宣伝の裏に隠された“NGワード”
2017年の国内映画シーンで見逃されがちなのが、韓国映画の躍進だ。今年に入り、『哭声/コクソン』(ナ・ホンジン監督)、『お嬢さん』(パク・チャヌク監督)といったパワフルな作品がロングランヒットを記録し、韓国映画産業のポテンシャルの高さを発揮している。
そんな中、ついに日本に上陸するのが『新感染 ファイナル・エクスプレス』だ。突如、感染爆発(パンデミック)が起こったソウル発プサン行きの高速鉄道KTXの車内を舞台に、“時速300キロの密室”で凶暴化する感染者たちと対峙する人間のサバイバルを圧倒的なスケールで描いた本作は、本国での年間No.1の大ヒットを記録。すでに世界150を超える国と地域から買い付けオファーが殺到している。

まさにゾンビ映画の新たな傑作として、この秋絶対に見逃せない本作だが、先日来日を果たしたヨン・サンホ監督がトークイベントで興味深い話をしていた。
「韓国では公開前のプロモーションで、ゾンビという言葉はNGでした。映画会社は女性から敬遠されないよう、ゾンビ映画として売り出すことを避けたかったようです。
インタビューを受ける際も、ゾンビの話題になると『あー、あの、あれですよ』なんていう風に言葉をにごした。結果的に映画が大成功を収めたので、いまでは韓国でもゾンビ映画ブームが来つつあります」。

実はこうした映画宣伝におけるNGワードは、日本でもよくある話。同じゾンビで言えば、人気コミックを映画化し、昨年公開された某作品でも「ゾンビはNG」と宣伝担当からお達しがあり、作品を紹介する際には「凶暴な生命体」などと記述された。まあ、間違ってはいないけど。
ここ最近は、世間がタブー視する「不倫」も基本的にはNGで、「禁断の愛」「禁じられた恋」といった表現に言い換える。もちろん、複雑な人間模様を描いたラブストーリーを「不倫」の一言で片づけてほしくないという作り手の気持ちは理解できるし、出演者だって映画も観ずに「不倫映画に出てた役者」なんて思われたら、心外なはずだ。
この夏、話題の某アクション映画は「不良」「ヤクザ」「ヤンキー」の文言が使えず、ライターは頭を悩ませ、「じゃあ、どう表現しようか」と知恵を絞った。
本来、こうした規制はないに越したことはないが、映画宣伝には多かれ少なかれヒリヒリした“だまし合い”の側面があるので、その点は目くじら立てず、楽しむようにしている。
(text:Ryo Uchida)
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