【インタビュー】錦戸亮 俳優であることへの“無意識”が生み出すナチュラルな存在感
映画の始まりから終わりまで、癖の強い6人の元受刑者たちに振り回され続ける月末。「(撮影が行われた)富山には振り回されに行ってました」と笑う。過度に役に入り込んで自分を追い込むでもなく、“普通の人”であることを意識し過ぎるでもなく、自然体で撮影を楽しんだ。
「振り回されるのは『よーいスタート』から『カット』がかかるまでで、それ以外はリラックスしてました(笑)。そもそも、僕自身、普段から自分を“普通”だと思ってますからね。(インタビューで)よく『オーラのオンとオフのスイッチがあるんですか?』と聞かれますけど、そんなのないし、『今回、見事にオーラを消してましたね』と言われても、そもそも消してるつもりもないですし…(苦笑)」
そうしたスタンスは、今回のようなごく平凡な男を演じる時だけでなく、少しキャラクターの立った役柄、アクや個性の強い役を演じる際も変わらない。特別な何かを意識するでもなく、カメラが回ったら共演者を相手にその役柄としてリアクションをし、カットがかかればまた自然と元の錦戸亮に戻る。
「例えば侍を演じるなら、所作を復習したりはしますけど…。
基本は一瞬、一瞬に集中するだけ。