【インタビュー】浅野忠信 映画界なんて架空のもの、ぶっ壊してしまえばいい――若い世代へ継ぐパンク精神
完成披露舞台挨拶に登壇した出演者たちは、口を揃えて“言葉で言い表せない”と作品について語っていたが、その表情はみな楽しそうだった。「石井監督は、受け止めてくれるんです。なかなか俳優を全面的に受け止めてくれる監督って少ないと思うんです」と浅野さんは石井監督がスペシャルな存在であることを強調する。
■伝統と革新、どちらも楽しめれば
浅野さんといえば、“映画俳優”というイメージが強かったが、2017年は、連続ドラマの主演を務めるなど、映画以外にも活躍の場を広げている。
「映画界とかなんとか偉そうなことを言っているけれど、そんなものは俺みたいな年取ったおじさんが寄りかかる、架空のなにかでしかないんですよね。そんなものはぶっ壊してしまえばいい。映画だってドラマだって、携帯で撮った動画だって、面白いものは面白いんですよ」。
ある意味でとてもシンプルな考えだが、そこには浅野さんなりのポリシーが垣間見える。
「自分の息子とか娘ぐらいの世代がやっていることって、とても面白いんです。そこに僕が入り込めなかったら、この仕事はやめた方がいいと思うし、テレビドラマも『なにが面白いんだろう』ということを確認したかった。