【インタビュー】声優・鈴村健一、25年間貫いた信念と情熱の結晶!即興劇「AD-LIVE」魅力に迫る
と呼ばれる演劇メソッドだ。その場で生まれた設定やセリフを瞬時に“役として”感じとり、芝居を止めることなく繋げていく。「養成所時代はエチュードが苦手だった」という役者が多いなか、鈴村さんは即興で芝居することが「非常に面白かった」と語る。
「演劇の空間では、発したセリフがそのまま真実に変わります。例えば『僕は医者だ』と言えば、その空間では医者になれるのがお芝居なんですよね。『自分じゃないものになりたい』という願望の原点って、まさにこれだと僕は思っていて。役として言ったことが真実に変わっていく感覚が僕は若い頃からすごく好きだったので、そうやってセリフがどんどん真実に変わっていくところを…お芝居のトレーニングとしてではなく、舞台上でお客さんに観てもらうっていうのは相当面白いんじゃないかと、二十歳のときに思いついたのがきっかけです」。
こうして鈴村さんの構想が初めてカタチとなったのが2008年。
以降、“声優による、90分の即興劇”という前代未聞の舞台は話題となり、ライブビューイングも含めると、いまや7万人に近い観客動員数を誇る人気の公演へと成長する。そこまでに至った理由のひとつとして、鈴村さんをはじめ演出スタッフ陣が毎回新しいテーマや設定、仕掛けを用意していることが挙げられるだろう。