2018年11月9日 06:00
【ファンタビ最新作レビュー】胸を打つクライマックス…驚く&泣ける魔法ワールドの最高峰
舞台をパリに移し、紀行ファンタジーとしての魅力も倍増している。
うれしい誤算!? ジョニー・デップの怪演は、オスカーの価値あり
主演を務めるエディ・レッドメインの香り立つ品位とユーモアは、今回も健在。若き日のダンブルドアを演じるジュード・ロウは、出番こそ少ないが奥深い存在感で、魔法ワールドの過去、現在、そして未来(『ハリー・ポッター』の世界)を結びつける役割を果たしており、シリーズ第3弾以降の活躍を期待せずにはいられない。
そして、そのキャスティングに賛否両論が巻き起こっていたグリンデルバルド役のジョニー・デップが、すこぶる良い!魔法界を乗っ取り、人間をも支配しようとする黒い魔法使いの狡猾さを見事に演じる姿は、うれしい誤算だ。デップの怪演が、本作をワンランク上の傑作に押し上げているのは間違いなく、アカデミー賞の助演男優賞候補になる可能性もゼロではないと思う。
ニュートとグリンデルバルドが求める“自由”とは?強く深く進化したドラマ性
人間の影に追いやられる魔法使いの不満をかき集め、「世界を支配して、自由を手にする」。これぞ、グリンデルバルドの大いなる野望である。前作から描かれた“分断された世界”は、その溝をさらに深いものにしながら、魔法界の戦争勃発によって、重大な局面を迎えようとしている。