【インタビュー】篠原涼子、女優として母として難役に挑む覚悟を語る
こうした篠原さんのパーソナルな“強さ”が薫子というキャラクターの節々に垣間見えるからこそ、観ている方はしっかりと感情移入できるのだろう。
45歳篠原涼子、まだまだ挑戦
物語のスタートから、クライマックスまで、スクリーンには常に張り詰めた空気が漂っているが、篠原さんが演じた薫子からは、希望や絶望、母性、狂気…という感情が見え隠れする。これまで数多くの作品に出演し、多くの評価を受けてきた篠原さんだが、本作は確実に彼女の代表作の一本となるだろう。
前述したように、2018年は非常に質の高い作品が続けて公開、上演された。本人は「たまたまタイミングが重なった」と偶然性を強調していたが「40代になって、自分のなかで表現したいと思っていることが、多くの人に感じとってもらえるようになった」と手ごたえを感じている部分はあるという。
それでも満足することは決してない。「まだまだ挑戦したいことはたくさんあります。歌でもトークでも、絵でも踊りでも…。
なにかをやることが次のなにかに繋がる。自分を掻き立てて、身につけることで、もっと多彩な表現していきたい」と貪欲に未来を見据えていた。
(text:Masakazu Isobe/photo:You Ishii)