【インタビュー】柄本佑、“映画”という大きな世界を変幻自在に泳ぐ
『ヴァイブレータ』(’03年)や『さよなら歌舞伎町』(’15年)などの脚本家としても知られている荒井晴彦がメガホンを撮った『火口のふたり』。男と女の、ある種の業を見せつける本作で“身体”の欲望に身を任せ続ける男・賢治を演じたのが柄本佑だ。
「俳優」としての夢の一つが叶った作品
この作品に対しての第一印象を聞くと、「脚本家・荒井晴彦の作品に出ることが、この仕事を始めてからの一つの夢だった」と開口一番に答えてくれた柄本佑。小規模なミニシアター作品からメジャー作品までありとあらゆるジャンルの作品、媒体(映画やドラマ、舞台など)で「俳優」として活躍する彼の夢の一つを叶えた映画が『火口のふたり』だ。
「最初に荒井さんからこの脚本をいただいて読んだとき、非常にソリッドで良い作品、そして単純に面白いと思いました。この作品じゃなかったとしても、たぶん、二つ返事で『やります』って言っていたと思うんですよね。だって荒井作品だから。初号が終わって荒井晴彦監督作品っていう座組の中に自分の名前が入っているっていうことがまず嬉しかった。
やっぱり欲が出て、また呼んでくれないかなと思ってます(笑)」
『火口のふたり』は秋田県を舞台に、かつて東京で恋人同士として暮らしていた賢治(柄本さん)