2020年2月14日 07:50
【インタビュー】果てない魅力の底に堕ちて…はじめての、もっと知りたい、俳優・綾野剛の素顔
俳優・綾野剛にとって、肉体、心、持ちうるものすべてを投じて作品に臨むことは「当たり前」なのだろう。アスリートのごとく、堅実に役に打ち込む姿を現場で目にする機会が観客にはなくとも、物語内の一挙手一投足で「綾野剛」ではなく「その人物」がさも存在しているかのように受け止められる。ゆえに、役を生きるための途方もない努力も想像に難くない。
多くの俳優賞を受賞してきた綾野剛「こういうときこそ自分を褒めなきゃいけない」
綾野さんが役者を始めたのは21歳の頃。2013年、『横道世之介』、『夏の終り』で、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞したのを皮切りに、翌年から続けざまに様々な映画賞、ドラマ賞において、その名が散見されるようになった。まもなく行われる第43回日本アカデミー賞においても、『閉鎖病棟 ―それぞれの朝―』で優秀助演男優賞を受賞し、最優秀賞受賞の期待もかかる。綾野さんにとって、賞はうれしい?取るに足らない?それとも――。
「賞は、どこまでも他力で決まるんです。
だから、アスリートみたいに自力で勝ち取る一等賞ではない。どれほど自分じゃない誰かに、その人物が焼きつき共鳴したか、でしかないのかなと思っています。