アルモドバル監督の私物が衣装やセットに『ペイン・アンド・グローリー』メイキングカット
「(セットについて)全然違う部屋や衣装でもよかったのです。しかし自分の家、自分の洋服がA・バンデラスにフィットしました。この選択はあくまでも実利的な理由から。プロダクションデザイナーにとっては私の自宅に来て、必要なものをピックアップすればいいから楽だったでしょう(笑)」と監督。主人公を演じたバンデラスを自身の髪型に似せ、靴や洋服の多くは私物、洋服の色も自分の好みであることを明かす。
さらには、スタジオのセットで彼の部屋を再現するため、アルカイネは1日の異なる時間の光の当たり方を確認するために何度も監督の家を訪れたという。 劇中でもサルバドールが「家と美術品に金を注ぎ込んだ」と吐露する場面もあるが、こうして作られた彼の部屋はまさにアルモドバル監督の生活空間の一部を再現しているといえる。
メイキング写真からもその徹底した美意識、こだわりの一端がうかがい知れるが、全編を通して描かれる追憶とともに、光と影、蒐集された数々の美術品やインテリアの美しさにも目を奪われるはずだ。
『ペイン・アンド・グローリー』は6月19日(金)よりTOHOシネマズシャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国にて公開。