“オバマの再来”と期待される若者を熱演『ルース・エドガー』ケルヴィン・ハリソン・Jr.新写真
17歳の黒人の高校生の知られざる内面に迫り、人間の本質とアメリカがいまも直面する現実をえぐるサスペンスフルなヒューマンドラマ『ルース・エドガー』。この度、主人公ルースを演じたケルヴィン・ハリソン・Jr.を捉えた新場面写真6点が解禁された。
本作の最もユニークな特徴は、全編出ずっぱりの主人公ルースが真意不明のミステリアスな存在であること。成績優秀なスポーツマンで、誰とでも分け隔てなく接するオープンな人柄の持ち主。アフリカ系の移民であり、白人の養父母の愛に育まれてトラウマを克服したルースは、若きバラク・オバマの再来とも称され、まさに現代のアメリカン・ドリームそのものだ。
だが、J・C・リーの戯曲「Luce」を映画化した本作は、観る者に強烈な問題提起を突きつけてくる。ルースの“完璧な優等生”というイメージは、彼に期待する両親や校長らが一方的に押しつけたものではないのか。それとは真逆の“恐ろしい怪物”という見方も、極端に偏った思い込みなのではないか。
人種、容姿、性別、階級、学歴、思想、信仰…いったい人間の“価値”とは、何によって決定されるのか。アメリカという国の歴史や政治をも取り込み、その理想と現実をあぶり出した本作の奥深さに、誰もが感嘆せずにいられないだろう。