浜崎あゆみの歌詞に秘められた想いとは…ドラマ「M」“怪演”“ドロ沼”だけじゃない魅力
テレビ朝日とABEMAの共同制作によるドラマ「M愛すべき人がいて」は、俳優陣の怪演やそれを引き出す脚本・演出の妙に注目が集まっているが、物語の鍵となるのは主題歌「M」をはじめとする平成の歌姫・浜崎あゆみの数々の名曲たち。
90年代、激動の音楽業界をふり返りながら、音楽プロデューサー「マックス・マサ」の言葉に背中を押されて生まれた各曲から、そこに秘められた主人公・アユの過去が明かされる点も大きな見どころとなっている。
第1話アユ、マサとの運命的な出会い…
2001年の渋谷スクランブル交差点、「Boys & Girls」「SEASONS」、そして「M」のMVが大型ヴィジョンを占拠している場面から始まる第1話。その頃、海を見つめるアユ(安斉かれん)は、「ファンが待っています」とマネージャー・野島(河北麻友子)から声をかけられる――。
歌姫になる前、かつてのアユが初めてマサ(三浦翔平)と出会ったのは六本木のディスコ「ベルファイン」。コースターに書いた電話番号を渡されたアユは、マサからの7回目の電話で初めて2人で会う約束をする。
【appears】初めての電話は 受話器を持つ手が震えていた
【appears】7回目の電話で 今から会おうよって
これは、ABEMAで配信中の「第1話:【伊集院光と古市憲寿】副音声リミックスver.」でも“エイベックス通”古市さんが指摘したように、11thシングル「appears」に登場する歌詞そのまま。本作に散りばめられたフィクションやオマージュの中に、リアルが存在することを暗示するシーンだ。
また、マサから女優やタレントよりも歌手になったほうが良いと言われたアユは、「目の前の人に伝えろ。目の前の人を震わせるんだ」とのマサの言葉を胸に刻む。続くシーンでは、数万人を前にしたライブでタイトル曲「M」を歌うアユが、このときのマサの言葉を思い出し…。
【M】今日もきっとこの街のどこかで
出会って目が合ったふたり 激しく幕が開けてく
マサの前で歌うことを重ねるうち、「歌うことがだんだん好きになってきました」と言うアユ。それを聞いたマサが「お前が歌っている姿はずっと見ていられる」と微笑む。
【M】今日もまたこの街のどこかで
別れの道 選ぶふたり 静かに幕を下ろした
そんな2人に重なるのが、今後の運命を匂わせるような対照的な歌詞なのもポイント。
第2話アユは“ダイヤの原石” …輝きだすことはできるのか!?
「アユをうちにください」、当時アユが所属していた中谷プロ社長(高橋克典)に対するマサの土下座から幕を開ける第2話。「アユはダイヤ…。
アユはダイヤになる。ダイヤになる!」と力強く宣言するアユに、マサはニューヨークで最高のトレーニングを受けることを薦める。「俺を信じろ」というマサの言葉に決意を新たにするアユを映し出したドラマのタイトルバックに重なるのは、日本レコード大賞を2連覇した28thシングル「Voyage」。
【Voyage】僕達は幸せになるため この旅路を行くんだ…
だが、ニューヨークで待っていたのは、その強烈キャラでSNSを席巻したボイストレーナーの天馬(水野美紀)。コテンパンにダメ出しされ、自信を失いつつあったアユのもとに、突然ニューヨークに現れたマサと再会したことで自信を取り戻す(しかも、アユが手を離した赤い風船をハイジャンプしてキャッチ!)。
【Fly high】離れられずにいたよずっと見慣れてる景色があったから その後、一念発起したアユの猛レッスンの中で流れるのは、13thシングル「Fly high」。誰かのことを思って歌うことの大切さに気づいたアユは、ついに天馬先生から合格をもらう。天馬トレーナーの名セリフ「イノシシをやれるくらいのパンチで!」が飛び出すのもこのシーン。 帰国後の合宿では、アユを妬む眼帯の秘書・礼香(田中みな実)にそそのかされた理沙(久保田紗友)や真理(傳彩夏)らライバルからの壮絶な嫌がらせを受けるも、マサに励まされたアユは見事デビュー決定!
【 Boys & Girls 】輝きだした 僕達を誰が止めることなど出来るだろう それから数年、大ブレイクのきっかけとなった9thシングル「Boys & Girls」を歌うライブで、デビューを掴んだときにかかった虹が、同じように超満員の会場にもかかる――。
第3話“夢見る少女”アユは、アーティストになる
ついにデビューを勝ち取ったアユだが、大浜社長(高嶋政伸)が出した条件は流川(白濱亜嵐)がプロデュースする理沙たちのガールズグループにアユが加わること。「グループじゃダメなんです」と突っぱねるアユに、マサもまた「俺を信じろ!」とお姫様抱っこ!2人の描く遙かな夢がついに幕を開け、2ndシングル「YOU」がタイトルバックに重なる。