2009年10月7日 18:11
『eatrip』野村友里監督インタビュー 「本質的な食欲…食べる意志を伝えたい」
という健康のススメでもなく、もっと根源的な“食”を介しての人と人のつながりである。
「食への関心が高まること自体は素晴らしいことだと思います。自分に降りかかってくる問題ですので。でも、悪いことばかりをつつきあっても仕方ないし、どんなにいいものでも『本当にそれが食べたい』と思えなくちゃ身にならない。そういう意味で私は、もっと本質的な食欲…“食べる意志”を伝えたかったんです」。
監督にとっての「おいしい」とは?
映画でも「食とは?」という問いが描かれるが、監督自身にとって「おいしい」とはどういうことなのだろうか?
「口の中から広がっていく、“満たされる”という感覚、白いものが赤く染まっていくような感覚ですね。例えカップラーメンであっても、それを食べて『生き延びたー』って気持ちになることもあるだろうし、受け入れる側の感覚が何より大切なのかな、と思います」。
監督の話を聞きながら、『崖の上のポニョ』で主人公のお母さんが作るラーメンを思い出した。
インスタントなのになぜかすごくおいしそうで…。
「肉がおいしそうですよね(笑)。それが食欲なんだなって思います。私自身、食を仕事にしてても決して美食家ではないし、『こういう食事がいい』とか言いたいわけではないんです。