韓国の鬼才ד母”×四天王が見事に融和 最後まで目が離せない『母なる証明』
(Photo:cinemacafe.net)
“母”は女手ひとつで育てた一人息子・トジュンのことが心配で仕方ない。純粋無垢に育った彼の身を案じ、食事のときも、彼が遊んでいるときも、頭の中は常にトジュンで埋め尽くされている。それってあまりにも過保護なのでは…と、正直親バカを感じる瞬間もあるが、それは冒頭のみ。トジュンがある事件に巻き込まれ、容疑者として逮捕され、我が子の無実を証明するために“母”自ら犯人探しを始める姿に、たまらなく胸が締めつけられる。
また、ポン・ジュノ監督の新作としてだけでなく、ウォンビンの兵役後初となる復帰作としても話題に。
純粋無垢な青年を演じ役者としてのターニング・ポイントとなったウォンビンの演技力も確かに見どころ。しかし、主人公はあくまでも“母”。韓国四天王のひとりとして絶大な人気を誇るウォンビンをクローズアップするのではなく、敢えて60代のベテラン女優キム・ヘジャを主役に据え、スリリングなサスペンスを描き出す──それはストーリーに自信がなければできないこと。キム・ヘジャを知らない人にとっては、一見地味な映画として映るかもしれないが、そう感じている人ほど期待が高くない分作品にのめり込み、ラスト30分に驚愕するだろう。
(text:Rie Shintani)
■関連作品:
母なる証明 2009年10月31日よりシネマライズ、シネスイッチ銀座、新宿バルト9ほか全国にて公開
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