【ネタバレあり】互いに”寄り添いながら”トラウマと向き合い乗り越えていく…「サイコだけど大丈夫」は究極の大人の童話
が初めて描かれる。
イソップ寓話の「王様の耳はロバの耳」を冠した第9章では、秘め事を口に出さずに我慢し続けていると病気になる、という教えに沿って(!?)ガンテがムニョンとついに初デートへ。ニコニコ笑顔で2ショット写真を撮る姿は、それまでの2人とはまるで別人のよう。
もし、序盤のムニョンの傍若無人ぶりやガンテたちの不遇に、このまま見進めるのはパワーが必要かも…と思ったとしても、ぜひ少しずつでいいので、この第6章までは見てみてほしい。以降、ガンテとムニョンのロマンスはようやく進展し、失踪したムニョンの母にまつわる謎解きも加速、試練に襲われてもお互いを求め合う気持ちがますます抑えられなくなる2人を見守らずにはいられない。
さらに最終章のタイトルは、“絵ムン・サンテ、作コ・ムニョン”でやがて完成する新作絵本「本当の顔を探して」そのもの。想像を超えて思い入れ深まる各キャラクターたちの魂が癒やされ、さらに成長していく物語として劇中とリンクし、ほかのコ・ムニョン作品と同様、ときどき残酷で辛辣なのに、たくさんの涙と少しの笑いでしっかりとヒーリング効果をもたらす。今作に登場する重要なモチーフ・蝶が古代ギリシア語でプシケー(Psyche)