「複雑だからこそ美しい」ムーランが唯一無二のディズニーヒロインである理由とは?
先日、クリスティーナ・アギレラによる「リフレクション」のMVが公開されたばかりの『ムーラン』。実写映画として新たに描かれるムーランの“物語”に迫った。
「リフレクション」は“自分らしくありたい”と思う一方で、愛する家族や故郷のために自分を男性と偽り、兵士になることを決意する主人公ムーランの心情と葛藤が表現されている。
そんな名曲が奏でられ、人気となった1998年公開のディズニー・アニメーション『ムーラン』の物語は、『美女と野獣』や『シンデレラ』『アラジン』とはまた違った魅力を持っている。
王子様との恋を夢見て、最後は愛する人と結ばれ幸せに暮らす…という定石の物語ではなく、愛する父のために自ら戦地に向かうという、それまでのディズニーヒロインでは想像しえなかった、まさに画期的なストーリーだ。そこで1998年に発表されたアニメーション版のストーリーをふり返りつつ、新たに生まれ変わった“実写版”『ムーラン』の魅力を探ってみたい。
周囲が望む“理想の女性”になれないことに悩むムーラン
由緒あるファ家のひとり娘ムーランは、古いしきたりに縛られない自由な心を持つ元気な少女。結婚をするために女性としてのマナーを学ぼうとするが、活発な彼女は、おしとやかで落ち着いた周りが求めるような女性像に近づくことができず、複雑な気持ちを抱えていた。