真っ白な伝統衣装は「黒いヴェールに対する抵抗」『パピチャ』
昨年のカンヌ国際映画祭・ある視点部門に正式出品され大きな話題となった、アルジェリアを舞台にした映画『パピチャ 未来へのランウェイ』。この度、9月21日の<ファッションショーの日>に合わせ、内戦下にファッションデザイナーを夢見る主人公の少女たちの熱い情熱と輝きを捉えた新場面写真が到着した。
タイトルの“パピチャ”とは、アルジェリアのスラングで“愉快で魅力的で常識にとらわれない自由な女性”という意味。イスラム原理主義の弾圧に抑えられることなく、ファッションショーを開催することを決意した主人公の少女たちそのものだ。
1990年代、アルジェリア。大学生のネジュマは、授業中はファッションのデッサンに没頭し、たびたび大学寮を抜け出しナイトクラブでドレスのオーダーメイドの依頼を受ける秘密の商売をしたり、行きつけの雑貨屋に自作の服を持参し商品として売るなど、ファッションデザイナーになることを夢見ている。
しかし、イスラム原理主義の思想が強まる風潮の中、一歩外に出れば“女の正しい服装”をとヒジャブの着用を啓蒙するポスターが街中に貼られるようになっていた。そんなある日、ネジュマをある悲劇が襲い、彼女は自分たちの自由と未来のために大学寮でファッションショーを行うことを決意。