『靴ひも』監督、実は「作りたくはなかった」映画製作の経緯明かす
イスラエル・アカデミー賞8部門ノミネート、助演男優賞を受賞した、心揺さぶる大人の親子の物語『靴ひも』。日本公開に先駆けて9月29日、本作の試写会と、監督のヤコブ・ゴールドヴァッサーと中継を繋ぐオンライントークとQ&Aイベントが行われた。
発達障がいの息子を持つゴールドヴァッサー監督が、イスラエルで報道された実在の父子の臓器移植にまつわるエピソードを基に描く本作。
イスラエルの自宅から中継で登場したゴールドヴァッサー監督は「実は、当初この作品を作りたくはなかったのです」と言い、「私たちの長男は、脳の発達に問題があるスペシャルニーズ(特別支援を必要とする)の状況だったからです。彼はいま、映画にも出てくるような施設の村に住んでいますが、私にとってあまりにも身近なテーマに躊躇していたのです」とその理由を説明。
しかし、「この映画の実話ベースのエピソード、ある父子の臓器移植を巡る問題で、障害を持つ息子がドナーになることが承認されなかったニュースに触れ、改めて考えると、私は父親として、時に奇妙な目で見られがちなスペシャルニーズの人たちのイメージを改善する、そういった責務があると感じたのです。