“スペシャルニーズ”の息子をもつ親だからこそ完成できた『靴ひも』監督インタビュー
一度は家族を捨てた父と発達障がいのある息子が、悪戦苦闘しながら本当の親子関係を築くまでを描いたイスラエルの映画『靴ひも』が10月17日(土)より日本公開。この度、イスラエル在住の本作の監督ヤコブ・ゴールドヴァッサーにオンライン中継でインタビューを敢行。改めて日本で劇場公開することについて、現在の心境を明かした。
ゴールドヴァッサー監督も発達障がいのある息子を持つ父親であり、身近なテーマだったため、最初は同映画製作に躊躇したそう。「約10年前にある親子の実話を聞く機会があり、腎不全を患う高齢の父親に、知的障害を持つ息子が自分の腎臓を提供しようとしたそうです。私にもスペシャルニーズの(特別支援を必要とする)息子がいるので、私が映画化するにふさわしいエピソードだと思われたのでしょう。しかし私はこのような重い題材を扱うことに抵抗があり、この題材から逃げてきたわけです。ただ気になってはいました」と始まりを語り、「何年か経ち、この映画の主人公役のネボ・キムヒさんとご一緒した時に、この企画のことを話したら『是非やろう!』と賛同してくれて、いろいろとアイデアを交換していくうちに、私の心配を払拭してくれたのです。