内戦下、大学寮を抜け出しナイトクラブへ…『パピチャ』冒頭映像「国際ガールズ・デー」に解禁
カンヌ国際映画祭・ある視点部門に正式出品され大きな話題となるも、本国アルジェリアでは未だに公開には至っていない映画『パピチャ 未来へのランウェイ』。
本日10月11日は、国連が採択する「国際ガールズ・デー」。エンターテイメント業界でも、ジェンダー・ギャップの問題などの課題に対して、女性自らが率先して声をあげる出来事も少なくない。この日に合わせ、自分なりの方法で社会や制圧と向き合っていく少女たちの姿を描くシスターフッドの物語の幕開けを告げる本作の本編冒頭映像が解禁された。
本作の舞台は1990年代、アルジェリア。ファッションデザイナーを夢見る大学生のネジュマ(リナ・クードリ)は、親元を離れ大学寮で暮らしている。夜はルームメイトで親友でもあるワシラ(シリン・ブティラ)とナイトクラブに繰り出すのが楽しみのひとつ。その夜もネジュマとワシラは、寮の部屋からこっそり抜け出し、ナイトクラブに向かうために待たせていた白タクの元へと走っていく。
ふたりはタクシーに乗るや上機嫌にゴージャスなドレスに着替え始めるが、運転手は「この車はキャバレーじゃないぞ」と完全に呆れた様子。ネジュマがお気に入りの曲をかけながら見るアルジェの街は、いたるところがネオンで照らされ、車や人々が行き交い、眠らない街の賑わいを感じさせる一方で、ラジオからは武装グループによる襲撃事件を伝えるニュースが流れ、イスラム教のモスクでは大勢の人が礼拝をしている様子など、この街を覆う現実も伝わってくる。