スウェーデンの奇才、ビリー・ホリデイほか時を超えて愛される名曲を採用『ホモ・サピエンスの涙』
ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞(監督賞)を獲得したスウェーデンの奇才ロイ・アンダーソンの最新作『ホモ・サピエンスの涙』。本作にはロイ・アンダーソン渾身の映像美に重なる、時代を超えて愛される名曲の数々が起用されている。
本作の登場人物たちの日常をロマンティックに彩るのは、時代を超えて愛される必聴ナンバー。伝説的ヴォーカリスト、ビリー・ホリデイや、ヴォーカル・グループの草分け「ザ・デルタ・リズム・ボーイズ」などの名曲が続々登場。今回、アンダーソン監督こだわりの映像と至極の歌声が融合した1シーンの本編映像が到着。「ザ・デルタ・リズム・ボーイズ」による、思わず踊り出したくなるナンバー「Tre trallande jantor」が使用されている。
<劇中登場楽曲>
♪「All of me」ビリー・ホリデイ
1931年に発表されたジャズのスタンダードナンバー。ルイ・アームストロング、フランク・シナトラなど数々のアーティストに歌われ、愛されてきた失恋ソングの名曲。本作では「レディ・デイ」の愛称で知られる史上最も偉大なジャズ・ヴォーカリストのひとり、ビリー・ホリデイによる楽曲が使用されている。
ブルースをベースにした歌唱は即興性に優れ、究極のジャズ・ヴォーカルともいえるスタイルを生み出した。現在、その知られざる人生を描いた伝記映画『The United States Vs. Billie Holiday』が製作中だという。劇中では、大好きなシャンパンを飲む女性を男性がうっとりと見つめるシーンで流れる。
♪「Tre trallande jantor」ザ・デルタ・リズム・ボーイズ
1894年にスウェーデンの詩人グスタフ・フレーディングが発表した詩集「Nya dikter」に収められたユーモラスな一編を、同国の音楽家フェリクス・カーリングが作曲。本作では歌詞同様、3人の少女が踊る陽気なシーンで流れる。劇中ではジャズ、R&B、ドゥーワップなど幅広いジャンルを歌い上げ、1940年前後に人気を博した「ザ・デルタ・リズム・ボーイズ」による楽曲が使用されている。スウェーデンで収録した楽曲も数多く、ゆかりのあるアーティストとして本国でも人気が高い。
♪「’O sole mio」エーリック・イーゲルストレーム 1898年に発表されたイタリアのカンツォーネ。恋人の美しさを太陽に例えて讃えた内容で、タイトルは「私の太陽」の意。エルヴィス・プレスリーによるカヴァー「It’s Now or Never」は、世界中で2,000万枚を超える大ヒットとなった。 本作では、スウェーデンのマンドリン奏者エーリック・イーゲルストレームの演奏が使用されている。劇中では、地雷で両脚を失った男性が奏でる曲として登場する。会うことの叶わない、彼にとっての「私の太陽」を想って演奏しているのだろうか。観客の想像を膨らませる印象的なシーンとなっている。
♪「Mira, o Norma」ジョーン・サザーランド&マリリン・ホーン
イタリアオペラを代表するヴィンチェンツォ・ベッリーニ作曲の歌劇「ノルマ」の第2幕に登場する楽曲。死の覚悟をしたヒロインのノルマが、子どもたちのためにも生きるよう説得される内容。本作では、20世紀を代表する歌手ジョーン・サザーランドとマリリン・ホーンによる楽曲が使用されている。劇中では、旧友に無視され続ける男性の独白シーンで流れる。
『ホモ・サピエンスの涙』は11月20日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。
(text:cinemacafe.net)
■関連作品:
ホモ・サピエンスの涙 2020年11月20日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて公開
©Studio 24
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