タランティーノが導き出す、ブラピの新たな顔とは?『イングロリアス・バスターズ』
(Photo:cinemacafe.net)
『イングロリアス・バスターズ』=“名誉なき野郎ども”というタイトルが付けられた本作は、説明不要の鬼才クエンティン・タランティーノが、同じく説明不要の映画スター、ブラッド・ピットと初めてタッグを組んだ話題作。
描かれるのは、第二次世界大戦時のフランスで繰り広げられる対ナチ戦。だが、タランティーノが仕掛けるということは、史実に基づいたありきたりの戦争映画に収まるわけがなく──ナチス殲滅(せんめつ)の命を受けるアメリカ軍特殊部隊“バスターズ”の活躍、ユダヤ人を執拗に追いかけるナチス“ユダヤ・ハンター”の動向、そしてナチスに家族を殺された美少女・ショシャナの復讐…といったいくつものドラマが徐々に重なり合うストーリー。冒頭の「昔、ナチスが占領していたフランスというところで…」という、おとぎ話的アプローチもユニークだ。また、タランティーノが10年以上にわたり熟考した脚本とあって、『パルプ・フィクション』、『キル・ビル』シリーズなど過去の作品でこだわってきた一癖あるキャラクターやシュールな笑いも散りばめられている。
そして、タランティーノによって新たな一面を引き出されたブラッド・ピット。