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サム・ライミ『スペル』インタビュー 10年越しの思いが詰まった72時間の“恐怖”

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サム・ライミ『スペル』インタビュー 10年越しの思いが詰まった72時間の“恐怖”

(Photo:cinemacafe.net)

そのきっかけは、ある老婆へのほんの些細な不親切。耳元でささやかれたのは聞き慣れない呪文のような言葉。それは、彼女を恐怖のどん底へと突き落とす呪符だった――。『スパイダーマン』の大ヒットで全世界にその名を知らしめたサム・ライミが、この大ヒットシリーズ以前から、ずっと構想を温めてきたという作品がまもなく公開を迎える。その作品の名は『スペル』。老婆が吐き捨てた禁忌(=スペル)をきっかけに、3日間(=72時間)の恐怖が主人公のクリスティンのみならず、観る者を襲う!公開を前にサム・ライム自身が作品について口を開いた。

先にも述べたように、本作の企画が動き始めたのは『スパイダーマン』以前のこと。同シリーズの大成功によって、彼自身の映画作りに変化は生じなかったのだろうか?
「僕は、自分の映画の全ての製作過程で多くのことを学んでいる。
職人、芸術家と呼ぶにふさわしい人々に囲まれており、彼らから学ぶことは多いよ。監督とはできる限り最高の職人、アーティストに囲まれるように努力するものだし、そうして異なるテクニックやスタイルを引っ張り出していくんだ。(『スパイダーマン』などの)これまでの映画で学んできたことを引っ張り出して、この映画でも大小様々な形で応用したよ」。

特に大切にしたのは、視覚的な部分。彼はあえて、CGに頼らない映像作りを選択した。
「観る人間にとって、本当にリアルと思えるものを作りたかったんだ。観客は賢いから、そうした視覚効果がコンピュータで操作されているか否か、すぐに分かってしまうよ。僕は、主人公の身に起こることを撮影現場で作り上げたかったんだ。
風の効果からワイヤー仕掛け、操り人形といった人間主導の効果をふんだんに利用したよ。それは、まるでこの場にいるかのようなリアリティを観る人に与えてくれるんだ」。

主人公のクリスティンがたどる道は、小さな不親切の代償としてはあまりにも大きな苦難の連続である。クリスティン役のアリソン・ローマンについて、監督は称賛を惜しまない。
「アリソンは、よく耐えていたよ。こっちは彼女を戦わせたり、泥だらけにしたり、血みどろにしたり…。でも彼女は決して根を上げない。苦しみのたびに強い心構えでもって向かってくるんだ。
大変なシーンの全てで、彼女の忍耐強さとプロ根性に驚かされたよ」。最後に、観客に向けて監督はこんな言葉を残した。
「僕たちがしようとしているのは、本当に楽しく、薄気味悪いお化けの物語を語ること。キャンプファイアで耳にするようなお化けの物語を体験してほしいんだ。少しゾクゾクしてクスクス笑えて、時に飛び上がって叫べるような映画、最後には背筋が寒くなって『ワオ!』と驚いて終わるような作品だよ」。

さてさて、映画が終わったときに一体どんな顔になっているのか――?『スパイダーマン』とはひと味違う、“恐怖”を味わってみては?

■関連作品:
スペル 2009年11月6日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開
© 2009 Curse Productions,LLC

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