社会問題“違法くじ”とは? ベトナム社会のタブーに切り込む『走れロム』日本公開
ベトナム・サイゴンの裏町を舞台に、孤児の少年ロムが夢を叶えるため、違法宝くじに挑む姿を疾走感溢れるスタイリッシュな映像とエモーショナルな演出で描いた『走れロム』(原題:ROM)の日本公開が決定した。
活気に満ちたサイゴンの路地裏にある古い集合住宅。住民たちは、投資家を装う詐欺師の債権者から多の借金を背負い、アパートを維持するため大金が当たる違法宝くじに熱中。14歳の孤児ロムは、そこで宝くじの当選番号の予想屋として生計を立てていた。地上げ屋から立ち退きを迫られている裏町の住民たちを救うため、生き別れになった両親を捜すため、ロムは危険な違法宝くじで一攫千金の賭けに出る。
社会主義国家のベトナムにおいて顕在化させたくない社会問題「違法くじ」を描いたことで、当局の検閲が入り、修正を余儀なくされた本作。そんな苦境を経て迎えたベトナムでの公開は、ロングランヒット中だったクリストファー・ノーラン監督の『TENET テネット』を興行成績で圧勝する奇跡の大ヒットを記録。第24回釜山国際映画祭ニューカレンツ部門最優秀作品賞受賞ほか、多くの映画祭で高い評価をうけた。
今回、日本でも修正バージョンを公開し、これに先立って3月5日(金)