『サンドラの小さな家』フィリダ・ロイド監督「クレアの演技をとても誇りに思う」
「ニューヨークでの公演中、クレアに言われました。“私が書いている脚本を読んでくれない?意見を聞かせて欲しい“と。彼女が初めて書いた脚本だと知っていたので、読んでみて衝撃を受けました。何より驚いたのは彼女が言葉と映像のバランスを理解していたことです。初めて脚本を書いた人とは思えないバランス感覚でした。セリフが驚くほどリアルでクレアのダブリンでの日常が表れていました」と明かす。
とはいえ、ロイド監督は自身がメガホンを取るつもりはなかったそう。「アイルランド人が監督すると思っていたんです。
だから私は友人として意見を言っただけでした」というが、脚本開発が進むにつれ、「クレアの出演が保証されるなら私が監督したいと思いました。どんどん脚本に引き込まれ意志が固まりました。そうしてクレアが主導権を維持できるようにしたんです」と監督。
どの作品もスターをキャスティングすることが成功への近道。しかし、ロイド監督はこのサンドラという役はまさに原題と同じクレア自身(“Herself”)が演じることが重要だと主張した。新しい才能にチャンスを与えたい、というロイド監督の強い想いがなければ、本作は生まれなかったかもしれない。