『僕が跳びはねる理由』“雨”を理解するまでの「心の地図を描いた」本編映像
サンダンス映画祭ワールド・シネマ・ドキュメンタリーコンペティション部門の観客賞や、バンクーバー国際映画祭で2冠を達成するなど世界で注目を集めた『僕が跳びはねる理由』。この度、自閉症スペクトラムの人たちが雨の音を聞いたとき、それを“雨”と認識するまでの思考のプロセスを追った本編映像が到着した。
映像では、自閉症スペクトラムの人たちが雨の音を聞いた際に“雨が降っている”という状況を理解するまでの具体的なプロセスが、「自閉症の僕が跳びはねる理由」の原作者・東田直樹氏の言葉によって語られる。
東田氏はまず「僕の目は線や面などにとらわれる」ため、“雨”独特の音を聞くと頭の中のカードをめくり、記憶の中からもっとも似た場面を探し、最後にようやくこれまでの「記憶を頼りに“雨”という単語に結びつける」ことができるのだという。
その原作「自閉症の僕が跳びはねる理由」を英訳、本作の世界的ベストセラーのきっかけを作り、自身も自閉症の息子を持つ翻訳者・作家のデヴィッド・ミッチェルも、この混沌とした世界中の情報を整理し、理解するために「自閉症者はやっとの思いで対処している」と述べ、ほかの人にはなかなか伝わりづらいその内面を「直樹はいわば心の地図を描いてみせた」