「それぞれの伝統文化を大切に」『ブータン 山の教室』監督が日本の学校とオンラインで繋がる
と続けた。
そして、生徒からルナナ村に実際行ったときの様子を聞かれたパオ監督は「ブータン人は強くて丈夫だと思っていたが、撮影隊の多くが高山病にかかってしまい働けなくなった」という過酷な裏話も披露しながら、劇中も語られる地球温暖化の状況を説明し、「氷河が解けて洪水を起こし、村人が亡くなったこともあり、ルナナの人たちはそれを恐れているんです」という切実な話には生徒たちも熱心に耳を傾けていた。
オンライン上ではあるが日本の学校との貴重なやりとりを受け、「この映画は、教育や学校について、また自分の幸せや自分の居場所を探すことについて描いています。そしてこの映画の中で一番大切な要素というのは、文化を保存することの大切さだと思っています」と語るパオ監督。そして「私は日本で上映されることが特に嬉しいんです。なぜならこの映画のインスピレーションのもとになっている一つが、谷崎潤一郎さんなんです」と発言。
「谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』を読んで、東洋の伝統や文化を保存することの大切さを知りました。東洋的な文化には、影の中、あるいは暗闇の中に生き、その中から学ぶものがある、と。
一方、西洋的な文化は、常にものを光で照らそうとしている。