マイケル・ムーア『キャピタリズム』インタビュー 「愛しているこそ、諦められない」
(Photo:cinemacafe.net)
泣く子も黙る“アポ無し突撃取材”で知られる、ドキュメンタリー監督マイケル・ムーア。その彼が、ヴェネチア、トロント、L.A.、デトロイト、N.Y.など、アメリカを始めとする世界各都市で絶賛された最新作『キャピタリズム〜マネーは踊る〜』の日本公開を控え、11月末に待望の初来日を果たした。最新作のテーマは、ずばり「お金」。アメリカにおいて、持てる者と持たざる者の格差を広げ続ける元凶となった社会システム=資本主義をめった斬り。この不況を機に、持たざる者から基本的人権や安定した生活を送る権利すらも奪うこととなったこのシステムを“悪”と見て、今回も徹底的に弱者の代弁者としての立場をとっている。
ただし、社会的弱者を擁護すると、資本主義社会では時に保守派層から目の敵にされることも多い。これまで取材をする上で、身の危険を感じることがあったのではないだろうか。
「脅迫は、2002年に『ボウリング・フォー・コロンバイン』でアカデミー賞を受賞し、授賞式でイラク戦争に対する批判をして客席からブーイングを受けた直後から始まったんだ。
あの夜、家に帰ったら自宅の壁に馬糞が塗られ、敷地内にもいくつか放置されていたんだ。