「自分を創造する」『クルエラ』ヘアメイクが語るドラァグ・アーティストとの共通項
けれど、それらのルックにこだわる必要はありませんでした。反抗的でルールを破るという雰囲気をとらえればよかったんです」と語る。
「最初に出てくるときのクルエラは、かなりクラシックなクルエラと言えます。髪型はボブだし、グレン・クローズの全体像に近い。ネイルもグレン・クローズのネイルを真似しています」と言う。とはいえ、本作はクルエラ誕生までを描く“オリジンストーリー”。「クルエラが自分を見つけていく話で、グレン・クローズのルックに到達するときには、彼女は自分を完成させているのです」。
また、変貌を遂げる前のエステラに関しては、「エマと話し合って、できるかぎりリアルなルックにすることにしました」と言う。
「エステラは1970年のロンドンに育った若い女性。どこにでもいる、普通の女性だと、私たちは決めました。彼女には個性もあるけれども、ヘアとメイクアップはあの時代に則していて、ちょっとパンクっぽさを感じさせる程度。クルエラに変革していく時に、変革がはっきりとわかるようにするためです。私たちもクルエラと一緒にそのジャーニーを辿れるようにするため」と語る。
「実際、私も、エステラと同じジャーニーを辿っているように感じました。