2021年7月16日 14:00
【レビュー】『ブラック・ウィドウ』生身のヒーロー“ナターシャ・ロマノフ”に触れる最後の旅路
『アイアンマン2』(10)での初登場以来、アベンジャーズの主要メンバーの1人ながら、ようやくその人生の一部が語られることになった『ブラック・ウィドウ』。
クールで優秀な元スパイにして暗殺者、ブラック・ウィドウ/ナターシャ・ロマノフはどこから来たのか?『アベンジャーズ/エンドゲーム』でなぜ、あの選択をしたのか?スーパーパワーも鋼のボディも持たない、生身のヒーローである彼女が “家族”を再び1つにしようとした旅路と私たちに遺してくれたものを思うと胸が熱くならずにはいられない。
バラバラになったナターシャの2つの“家族”
2年ぶりのマーベル映画の公開を告げるお馴染みの「マーベル・スタジオ」のロゴから幕を開ける本作、冒頭に映し出される場所は1995年のアメリカ・オハイオ州。1995年といえば、キャプテン・マーベル/キャロル・ダンヴァースが地球にやってきた頃だ。当時10歳のナターシャは、6歳の“妹”エレーナ、“母”メリーナ、“父”アレクセイとオハイオで“潜入任務”についていた。その期間は3年…。エレーナがロシアからアメリカに来たのはわずか3歳のときだった。
だが、アメリカでの任務を終えた一家は突然帰還することになり、“家族”はバラバラになってしまう。