くらし情報『『イエローキッド』遠藤要×真利子哲也監督インタビュー 信念を胸に進む新星2人』

『イエローキッド』遠藤要×真利子哲也監督インタビュー 信念を胸に進む新星2人

そのとき、そんな自分と同じようなやつらに夢や希望を与えるようなことがしたいって考えて、仲間を集めて芝居をやったんです。人間は失ってから初めて大切な物を知る。僕自身が母親を亡くしてから初めてその偉大さを知った気持ちを芝居にしたんですが、老人ホームで上演したら、みんな涙流して喜んでくれた。その瞬間にゾクゾクッと来て、表現者として生きていきたいと思ったんです」。

強い気持ちの込められた遠藤さんの演技の秘密がよく分かるエピソードだが、一方の真利子監督もまた、表現者として独特の道を歩み、ここまでたどり着いた人物。短編作品で実績を積み重ねたのち、東京藝術大学大学院の門を叩き、黒沢清監督に師事。修了作品として製作した本作は、独立系の映画館主のネットワーク「New Director/New Cinema 2010」での高評価を受けて劇場公開されることに。資金難などで映画製作が難しくなっていると言われるいま、新たな道筋を作ったと言える。

「以前、石井聰互監督がHDV(ハイビジョンカメラ)の台頭で、プロとアマチュアの映像の差がなくなる、というお話をされていて、そこに自主制作映画の可能性を感じました。プロの映像と差のない作品、劇場で掛けられるような作品を撮りたい、と。

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