ジャンヌ・ダルクを描く2作『ジャネット』『ジャンヌ』同時公開へ!予告編解禁
戦争の最中、神の声に導かれて民衆を鼓舞し、国民的英雄となりながら異端審問の末に刑を受けた女性騎士ジャンヌ・ダルクを、フランスの鬼才監督が型破りに描いた2作が12月に同時公開決定。この度、少女が舞い、歌い、ヘッドバンギングする歴史ミュージカル『ジャネット』、少女が“雄弁な”男たちを喝破していく心理アクション『ジャンヌ』から予告編が到着した。
疫病と戦争の最中にあった15世紀初頭のフランスに実在したジャンヌ・ダルクの物語は、芸術と娯楽の様々な領域で幾度も題材にされた。映画史においても枚挙にいとまがなく、メリエス、ドライヤー、デミル、フレミング、プレミンジャー、ロッセリーニ、ブレッソン、リヴェット、ベッソン…歴々たる映画作家たちが、メロドラマとして、社会風刺劇として、スリル満点のスペクタクルとして、「歴史劇」の古典に取り組んできた。フランスやハリウッドで、翻案やパロディも含めれば世界中で、時代の折々に作られてきた「ジャンヌ・ダルク映画」。その最新の変奏となるのが、この『ジャネット』と『ジャンヌ』。
監督は、現代フランス映画において一筋縄ではいかない挑発的な作品『ユマニテ』(99)『フランドル』(06)などを発表してきた鬼才、ブリュノ・デュモン。両作品でジャンヌ・ダルクを演じたのは、ロケ地周辺で出会った演技経験のない新星リーズ・ルプラ・プリュドム。
ジャンヌ・ダルクの幼年時代を描いた、破壊的な歴史音楽劇『ジャネット』撮影時はわずが8歳で、幼い頃のジャンヌを歌や踊りを駆使し見事に体現し、救国の戦いから異端審問、そして刑の執行を描いた『ジャンヌ』では、まっすぐな眼差しと力強い言葉で“雄弁な”男たちを喝破していく姿を見せた。
『ジャネット』に関しては、カルト映画の巨匠でシネフィルとしても知られるジョン・ウォーターズ監督が2018年のベスト1に選出、仏の映画誌カイエ・デュ・シネマは「この小さな傑作によって彼の映画は決定的に解き放たれた!」と評して2017年のベスト2に選出。日本ではカイエ・デュ・シネマ週間で『ジャネット、ジャンヌ・ダルクの幼年期』のタイトルで上映され話題を呼んだ。続く『ジャンヌ』も、ジョン・ウォーターズは2019年のベスト2に、カイエ・デュ・シネマでは2019年ベスト5に選出され、フランソワ・オゾンやアルノー・デプレシャンの作品とともにルイ・デリュック賞にノミネートされ、見事作品賞を受賞した。