アカデミー賞ドキュメンタリー部門 米食糧市場の実態描く『Food, Inc.』など候補に
(Photo:cinemacafe.net)
2000年代初頭に発生したBSE問題や遺伝子組み換え食品をめぐる問題などに端を発し、最近では自然食ブームなど、食の安全が叫ばれて久しいが、映画界でも然り。近年、日本で劇場公開されている映画でも、『ファーストフード・ネイション』や『未来の食卓』、『キング・コーン』など知られざる食と人、そして市場の繋がりに注目した作品が数多く世に送り出されている。そんな中、アメリカの国産食糧市場の実態に追ったドキュメンタリー『Food, Inc.』(原題)が第82回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞にノミネートを果たした。
本作で初メガホンをとるのは、アメリカでTVプロデューサーとして活躍するロバート・ケナー。『ファーストフード・ネイション』の原作者、エリック・シュローサーや、アメリカの“肥満”事情に注目し全米で大ベストセラーになった「雑食動物のジレンマ 上──ある4つの食事の自然史」の著者、マイケル・ポーランら食事情のエキスパートとタッグを組み、企業への取材を敢行している。そこから見えてくるのは、普段私たちが口にしているものがどのようにして生産され、消費者の元に届けられているのか――。